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アットホームに暮らせる児童養護施設の空間づくり

社会福祉法人 信愛学園

IKEA神戸

児童養護施設のリビングルームの一例。
明るく、くつろげる、家庭的な雰囲気に。

神戸の御影にある社会福祉法人 信愛学園は、創設90年余りの児童養護施設・乳児院です。子どもたちが心身共に健康に過ごすことができる環境づくりと、小グループでの家庭的な養育を行っています。子どもの自立支援計画を明確にし、早期に家庭復帰できるような支援を大切にしています。現在、児童養護施設は小学生から高校生までの45名、乳児院は20名の子どもたちが暮らしています。

児童養護施設は機能的でくつろげる雰囲気をめざして

児童養護施設は、1ホームが5LDK、リビングダイニング+和室、キッチン、寝室で構成されています。建物は、長い年月が経っていることもあり、暗い雰囲気になりがちで、家具類は、とにかく耐久性を求めていたので統一感はなく、事務的な感じがしました。イケアの家具で明るい雰囲気をつくること、散らかりがちな物の収納の問題を解決することが課題でした。特に共有部分であるリビングダイニングは、「家庭的な雰囲気にしたいけれど、具体的にどうしたらよいのかわからない」というのが、先生方のこれまでの悩みだったようです。施工前に、先生方とお話しをする機会をなるべくつくり、毎日の生活で困っていること、どんな風に変えたいかなど、ヒアリングを重ね、プランを考えました。

子どもたちの本やおもちゃなど、散らかりやすいものはTROFAST/トロファストに収納。

和室も明るくコーディネート。ソファKARLSTAD/カルルスタード、収納はSTUVA/ストゥヴァ、ラグはIKEA PS2014。

別の部屋は、ODDA/オッダで。部屋に住む子どもの年齢などによって、家具を変えている。

衣類収納は、壁取り付け式収納のALGOT/アルゴートで整理。省スペースで収納力が高い。

手がけたホームは4ホーム。住んでいる子どもたちの年齢や性別、ニーズに合わせて、使用する家具は少しずつ変えました。
衣類の収納は、空間を有効に使えるPAX/パックスやALGOT/アルゴートを採用。本やおもちゃ、雑貨には、TROFAST/トロファスト、STUVA/ストゥヴァなどを選びました。収納力があり、整理整頓しやすく、掃除がしやすい空間をめざしました。

テレビ台はBESTÅ/ベストー。上部の空間も有効に使って収納スペースを。

寝室には、コンパクトで圧迫感の少ないTUFFING/トゥッフィングの二段ベッド。

ソファはKARLSTAD/カルルスタード。明るい色のクッションを置いて。ラグやカーテンはホームによって変えている。

ダイニングテーブルはNORDEN/ノールデン、チェアはJANINGE/ヤニンゲのアームレスト付き。

勉強机もコンパクトなMICKE/ミッケで。省スペースだが、機能的で使いやすい。

乳児院は、玄関とプレイエリアをリフォーム

乳児院のスペースは、玄関入り口と子どものプレイエリアをリフォームしたいという具体的な要望がありました。玄関は、明るく温かみのある雰囲気に、プレイエリアは、小さな子どもたちが安全でかつ開放的に遊べるように。まずは、先生方から日々の暮らし方を詳しくヒアリングして、動線や子どもたちへの安全性、機能性を考えてプランしました。

子どもたちがのびのびわくわく過ごせるような雰囲気になるよう工夫。

細長い空間を、METOD/メトードのワークトップを半円にして脚を付けたものと、BESTÅ/ベストーで仕切ってコーナーを。

トイレスペースの目隠しもひと工夫。

玄関にはRUNNEN/ルッネン フロアデッキを敷いて、開放的な雰囲気に。

待ち合いスペースは、明るくウェルカムな雰囲気に。奥のソファはSTOCKSUND/ストックスンド、黄色いチェアはSTOCKHOLM/ストックホルムの回転式チェア、テーブルはSVALSTA/スヴァルスタ。

壁側はSTUVA/ストゥヴァ、TROFAST/トロファストを配して機能的な収納スペースに。

「魔法のように変わった」と子どもたちから

児童養護施設、乳児院、すべての工程にストアマネジャーとマネジメントチームが参加し、現場の組み立てに関しては、コワーカーやサプライヤーを含めると90人以上が携わりました。
児童養護施設の子どもたちの日々の生活を邪魔しないように、子どもたちが学校に行っている間の時間を使い、10日間をかけて少しずつ作業を進めました。子どもたちは、毎日学校から帰ってくるたびに部屋の様子が変わっていることに「いない間に、魔法みたいに変わっている」と驚き、日々変化を楽しみにしていたということです。

コワーカーが力を合わせて、家具を組み立て。

「魔法使い」のイケアのコワーカー。工具もしっかり使いこなして。

院長の川村先生から寄せ書きを受け取る、ストアマネジャーのアンダス・レンベルト。

完成の日には、児童養護施設の子どもたちから感謝の言葉が書かれた寄せ書きをいただきました。
「アットホーム」という共通のイメージを、先生方とともに形にすることができ、子どもたちも先生も喜んでくださったことを心から嬉しく思います。