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オフィスデザイン・レイアウト事例集:三福グループ

三福グループ(愛媛県松山市)

未来を見据えたフレキシブルなコワーキングスペース  
スタッフ専用「多目的副業スペース」を開設

人を育て、地域を豊かにする副業の推進力に 

近年注目が集まる「副業」を推進するべく、自社スタッフや外注スタッフのために24時間使える副業専用スペースを設けた企業があることをご存じでしょうか。

今回ご紹介する「三福グループ」様は、不動産業として昭和28年の創業以来、愛媛県松山市において地元密着型の事業を展開しています。現在の事業領域はスポーツジム・温浴施設・学習スペース兼カフェ・ホテル・エステと多岐にわたりますが、視点を「松山商圏」に定め、暮らしや健康と密接に関わるプロジェクトに取り組んでいます。 

副業を推進するためとはいえ、本社1階フロアをリニューアルし、スタッフのために専用のスペースを設けた背景にはどのような意図があるのでしょうか。三福グループ代表の中矢孝則さんは、「今は平均寿命が延び続け長く働かなくてはならない時代ですし、AIなどの技術革新の波が押し寄せています。このような時流を踏まえて、10年以上前からスタッフに副業を勧めているんです。何か1つの仕事を極めたとしても全国には同じことができる人が大勢いますよね。しかし、副業を通じて2つ、3つの職種のスペシャリストになっていけば価値が高まり、発想や人脈も広がって『その人でなければできない』といった希少性が生まれます。ただ、様々な技能を身に付けるためには時間が必要ですから、当社のスタッフには将来を見据えていち早く副業にチャレンジして欲しいんです」と、胸の内を明かしてくださいました。 今までもカフェやモデルルームの内装など様々な事業でIKEA for Businessをご利用いただきましたが、副業コワーキングスペースの開設は新たな試みであり、三福グループ全体、そして働く方全てに関わる重要なプロジェクトです。なぜ今回もIKEA for Businessを選択されたのでしょうか。中矢さんの回答は明確です。「これまでに、何度もイケアさんのビジネスインテリアデザインサービスを利用しています。コンセプトや目的、ターゲットやイメージを伝えると、意図をくみ取ってプランをしていただけます。提案の際は見積もりと合わせて素人にもわかりやすい3Dのプランや実際の商品を使ったコーディネート(コラージュ)を提示していただけるので、迅速に判断できるんです。私以外の担当者の案件もほとんど大きな訂正もなく決定しているようです。イケアさんとのやり取りはスムーズで働き方もサステナブルだと思います。また、商品のデザインはもちろん、使い心地の良さや耐久性にも信頼を置いています。安心して任せられると分かっているので、今回もイケアさんにお願いしました」。 (株式会社三福ホールディングス 代表取締役社長 中矢孝則さん )

「機能性」と「心地よさ」を両立させたフレキシブルな空間 

今回のリニューアルは「様々な使い方ができる可変性」と「利用者にポジティブな影響を与えるデザイン」が共通して取り入れられています。
「事前の打ち合わせで、機能面ではいくつかの明確な用途で利用できるようにして欲しいことを伝えました。コンセプトの肝はEntrepreneurship(起業家精神)とアットホーム。仕事をする場所でありつつもリラックスできる雰囲気に仕上げて欲しかったんです」と中矢さん。
そこで、用途別に4つのゾーンを創り、用途に応じて使い分けられるプランを提案させていただきました。
入り口から順を追ってご紹介します。 

Communication & Event ゾーン 

入り口ドア近くには、外部の方との打ち合わせや食事会などに最適な6人掛けのテーブルを設置しています。落ち着いた色合いのテーブルと座り心地の良い椅子がどんなシーンでも活躍しそうです。 柔らかなオレンジ色の光が透過する吹きガラス製ペンダントライトがアットホームな空間をつくります。

日差しの強い東側(写真右手)には、ELVARLI/エルヴァーリの収納システムを転用してグリーンウォールを設置。外から眺めてもグリーンが際立つ爽やかな印象に仕上げています。

エントランスから正面コミュニケーションウォールまでの広々とした空間には多くの緑が目に入ります。 また、視認性を確保しながらゾーニングするために、低めのKALLAX/カラックスのラックを配置しています。


Work focus&Self developing ゾーン

メインのワークスペースには、デスクとチェアを16席セットしました。4席ごとに島を作り、センターに三福グループが取り扱う植栽を配しています。デスクのレイアウトはフレキシブルに組み替えることができ、スクール形式に並び替えてセミナーに使用するなど様々な用途が見込まれます。 「今日も約45名でのミーティングに活用しましたよ。奥にプロジェクターのスクリーンを設置し、デスクはそのままで20脚ほどの椅子を追加しました。自由に使えるのがいいですね」と中矢さん。 中央の観葉植物がアクセントになったデスクスペース。数多く配置したリアルとフェイクのグリーンは、SDGsの取り組みに積極的な三福様を印象付けるためのプラン意図の1つです。

メッセージウォールには様々な苦労を乗り越え栄光を勝ち取った著名人の至言がちりばめられています。中矢さんはメッセージの選定に悩み抜いたといいます。「心底応援しているということを伝えたくて、行き詰まった時でも励みになるようなメッセージを選びました。『この場所を利用するみなさんが大きく羽ばたいて行けるように』という願いを込めています」。 メッセージウォールは、コンセプトを汲み取ったイケアからの提案。三福様のお取引のサイン製作会社が超特急で仕上げてくださったものです。

利用者用のロッカー。 頻繁にフロアを使う方のために鍵付きのロッカーを設置しています。また、デスクワークに限らず幅広い活動を行うことを想定し、ロッカー裏にバスルームとランドリースペースを設けました。深夜作業の合間に汗を流したり、汚れた作業着を洗ったりと自由に使えます。

Pre relaxing&Casual meeting ゾーン 

ソファにテーブルと椅子を組み合わせたスペースは、カジュアルな打ち合わせや雑談、食事、コーヒーブレイクなど様々な用途で使えます。ラップトップを持ち込んでちょっとした打ち合わせを行ったり、作業の合間の一休みに靴を脱いでリラックスできる穏やかな空間です。 カジュアルな打ち合わせやちょっと休憩したいときにリラックスして使いたいエリア。 壁の人工観葉植物に三福様の立体的なロゴがアイコンなスペースとなっています。

Relaxing&Reset ゾーン 

24時間使える場所だから、じっくり休憩を取りたいときはこちらのゾーンへ。ソファベッドは付属のクッションのアレンジで様々な使い方ができ、仮眠にも最適です。ソファ面下には収納スペースがあり、ブランケットや枕等を備えておくとさらに便利に使えます。さらにスタッフの健康を考慮し、オットマンの横には空気清浄機能付きのサイドテーブルを選びました。 ソファベッドのサイド(写真右奥)には三福グループが壁面緑化に使用している水耕栽培のグリーンをデザイン。イケアのアートグリーン(写真左手)と調和して、緑に包まれた安らぎの空間が広がります。 ソファベッドで仮眠も取れるリラックスエリアです。

家具の組み立ては自社スタッフで実施されました。「みんなイケアの家具に慣れていますから、楽しみつつも速いんですよ。このフロア全体を半日程度で仕上げてくれました。自分たちが使う場所の家具を自ら組み立てることにより、一層愛着が湧き、ものを大切にする気持ちも生まれると感じています」 

デザイン力、進行、耐久性、総合的な観点から選択 

コワーキングスペースやモデルハウスなど、何度もサービスをご利用されている中矢さんに、デザインや進行上のポイントを教えていただきました。「様々な仕事を抱えているので、納期管理がしっかりしているのが助かります。家具のデザインもプランニングもレベルが高いし、商品の使い心地は良くて耐久性も申し分ない。依頼から商品選別までワンストップで手間が省けるし、コストパフォーマンスが良いのもイケアさんを選ぶ大きな理由のひとつです。もちろん仕上がりにも大満足ですよ。将来的にこの場所で取材を受けたり商品の写真撮影をしたりすることまで考えていただき、想定以上の素晴らしい空間になりました」。

実際にこのフロアを利用するスタッフの皆さんや、見学に訪れた方の評判も上々とのこと。 
「他県から訪れたある企業の方がこのフロアを見て『三福に入りたい!』と話していたと聞き、本当に嬉しく感じました。また、これからの採用活動にあたり『若い方々を引き付けるポイントになるのでは』と期待しています。もちろん今いるスタッフの反応も良いですよ。当社はトップダウン型の組織ではないので、僕が良いと思ってもスタッフが嫌だと言えば導入できないんですよね。こうして度々依頼しているのはスタッフ達もIKEA for Business を信頼しているからなんです」。

スタッフの将来を切り拓く「場」を整え、自社のみならず地元松山全体の活性化を目指して邁進する中矢さんは、その長い道のりのパートナーの一人としてIKEA for Business を選んでくださいました。「デザイン力も含めて総合的に勘案し、今回もイケア以外の選択肢はありませんでした。今後もよろしくお願いします。でも本音を言えば……良すぎるから同業者には知られたくないかな(笑)」。 

DATA

施設名:三福グループ本社ビル 
所在地:愛媛県松山市中村2丁目1-3 
TEL:089-913-1255 
HP:https://www.sanpuku.co.jp/company/  
業務形態:住まい事業、管理・活用コンサル事業、健康・スポーツ・アンチエイジング事業、教育・福祉事業、飲食事業、ホテル・観光事業、ビジネス支援事業、社会貢献事業等 
導入年月:2023年5月末 
導入に要した期間:約3カ月半 
担当したイケアストア: IKEA福岡新宮 
使用したイケアのサービス:ビジネスインテリアデザインサービス、大型配送サービス 

※使用されている商品は記事掲載時期のもので、販売終了になっている商品が含まれる場合がありますのでご了承ください。