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教育・福祉施設デザイン事例集:東京工科大学 八王子キャンパス

学生が自分で過ごし方を決められる、新しい図書館へとリニューアル

東京工科大学 八王子キャンパス(東京都八王子市)

古い図書館棟を新しいコンセプトのあるスペースに

理工系総合大学として評価の高い、東京工科大学。工学部、コンピュータサイエンス学部、メディア学部、応用生物学部、デザイン学部、医療保健学部のほか、大学院、教養学環をもつ4年制大学で、蒲田と八王子に広大なキャンパスをもっています。八王子キャンパスには、東京工科大学の他に、併設校として多彩な分野を持つ総合専門学校、日本工学院八王子専門学校があります。

この春4月に、八王子キャンパスの図書館棟3階スペースがリニューアルオープンしました。すべてイケアの家具を使っています。そのプロジェクトの責任者でもある、八王子キャンパスの学務部部長、豊嶋信一さんと、情報サービス課の松本憲太郎さんにお話を伺いました。

学生に必要な空間、設備について熱く語る、豊嶋信一さん(左)と松本憲太郎さん。

リニューアル計画が始まったのは、2021年11月。新型コロナウィルス感染症の流行の影響で、大学の授業もオンラインが当たり前になり、学生同士の交流が少なくなったことに豊嶋さんさんはとても危機感を感じていました。少しずつ対面授業も復活してきた頃、もっと学生同士が交流できる場を作れないかと考え、思いついたのが図書館のリニューアルでした。八王子キャンパスには、4階建ての図書館棟があり、3階の閲覧室に就活生が時々やってきて、リモートの面接などにスペースを使っているのを見て、「もっと使いやすく、学生たちがそれぞれに使い方を考えられるような、フレキシブルなスペースにしたい」と考えたそうです。

ひとつのフロアに、目的で使い分けられる3つのコーナーを実現

人気の窓際スペース。広がる風景を見ながら、勉強や読書、休憩ができる。

もともと構内の一部でイケアの家具を使用していたこともあり、IKEA for Businessには登録していたので、リニューアルはイケアの家具でと、豊嶋さんと松本さんは考えていました。

「まずは理事長と一緒にイケアの店舗に行き、いろいろなコーディネートを見てもらいました」と豊嶋さん。

理事長の反応は好評で、図書館リニューアルのレイアウトプランをIKEA for Businessに依頼することが決まりました。

大学側の要望は、ひとつのフロアを3つのコーナーに分けることでした。グループでプレゼンテーションや発表を行う「グループワークスペース」、少人数で打ち合わせなどができる「ディスカッションコーナー」、落ち着いて読書や休憩ができる「リラクシングコーナー」を共存させ、学生が目的によって使い分けられるようにしたいと考えていました。

現場で何度か打ち合わせをし、12月にIKEA for Businessから最初のプランを受け取った時に、松本さんは「これは大きく変わりそうだ」と期待を寄せたそうです。「短い期間に想像以上にこちらの要望を理解していただいていて、スタッフみんなで感嘆した記憶があります。ほとんど変更はなかったのですが、その後も何度か打ち合わせをし、お任せしたという感じでしたね」。

学生同士のやりとりを活発に。「グループワークスペース」

では、それぞれの空間を紹介していきしょう。まず、グループワークスペースは、少人数から20人くらいまで対応できる空間です。プレゼンテーションや研究発表の練習の場、グループミーティングなどに使用されています。テーブルやチェアは、軽くて移動が簡単なものをチョイスし、その時の人数や目的によって可変性のある空間になっています。移動式のホワイトボードや短焦点プロジェクターも用意されているので、さまざまな研究に利用できます。

スペースはドアや壁などで仕切るのではなく、防音効果のある吸音パネルで軽く視線をさえぎるように仕切られているので、圧迫感がなく、周りの音も気になりません。

仕切りに使った吸音パネルは、丸いパーツを自由につなげて、好きな形にカスタマイズできます。オープンスペースにぴったりのパネル。

対面で友人との会話が弾む。「ディスカッションスペース」

2人がけのコーナーは、ソファで。

もっとも広いスペースは、ディスカッションスペース。2人用、4人用のテーブル席を配置し、数人での打合わせや歓談などに最適なコーナーになっています。モノトーンを中心に、ナチュラルなウッドのテーブルや竹素材のペンダントランプなどを組み合わせ、落ち着ける雰囲気を作り出しています。

「学生が面と向かって話し合ったり、笑い合ったり、そういう当たり前のことができなかったコロナ禍を経て、その大切さを痛感しています。このスペースで学生同士の交流が活発になればいいなと思っています」と豊嶋さんは語ります。

「学生が快適に過ごせる柔らかな色合いを望んでいたのですが、ナチュラルなカラーでうまくまとめていただきました。北欧風、イケア風というと、アクセントにカラフルな色が入ったりするイメージですが、これはこれで落ち着いていていいなぁと、とても満足しています」と豊嶋さん。女子学生にも男子学生にも好評だそうです。

4人がけのコーナー。
それぞれのコーナーで異なる照明使いをしているのも特徴。サステナブルな竹素材で作られたペンダントランプが落ち着きを醸し出している。

ひとりで物思いにふける時間を大切に。「リラクシングエリア」

ひとりで時間を過ごすのにぴったりなリラクシングエリアには、背もたれが高く心地よく体を支えてくれる、イケアのロングセラーのチェア、POÄNG/ポエングを設置。それぞれにラグ、クッション、オットマン、そしてひざの上で使えるラップトップサポート付きという充実した仕様になっています。

ひとりの世界に入って考えごとをしたり、落ち着いて本を読んだり、授業の合間の休憩時間に使う学生が多いようです。ラグの上も「土足OK」としているのですが、「学生たちは、なぜか靴を脱いでラグの横にきちんと揃えてチェアを使用していますね。行儀いいなあと思います。靴を脱いだほうがよりリラックスできるのかもしれませんね」と豊嶋さん。「どういう使い方をするかは、学生たちが自分でルールを作って欲しいと思っていたので、そういう側面が見られて良かったと思います」。

照明は、紙製のシェードが柔らかな光を拡散させるタイプをチョイス。シェードは手づくりなので、少しずつ形が異なるのも温かみがあり、リラックスできる空間を演出している。

新しい時代や価値観に対応する空間づくりをしていきたい

テキスタイルのパーテーションで軽やかに。

工学系の学校なので、以前は男子学生が多いキャンパスでしたが、近年は女子学生も増え、その比率は6:4まで増えていると言います。メディア学や生物学を専攻する女子学生が増え、また留学生も多いとか。

「まさに、ダイバーシティ=多様性の時代だなと思います。この図書館もどんな学生でも自由に使える雰囲気にしたいと思いました。バリアフリー化も必要ですね」と豊嶋さん。「遊び心も大切で、そんな空間が実現したのはイケアの家具のおかげですね。学校なので改修工事などは、学生が休みの時期しか行えません。そんな限られた時間内で、このスペースを実現できたのは本当にありがたいです」。

それぞれのコーナーにはフェイクグリーンの観葉植物をふんだんに配して、また、グリーンで仕切りを作るなど、癒し効果と機能を両立させているのも特徴です。

「今回は図書館の閲覧室の一部スペースですが、他のコーナーもイケアでリニューアルを考えています。IKEA for Businessは、予想を超えるプランを出していただけるので、空間を一緒に作り上げていく喜びがありますね。学生が快適に有意義に時間を過ごすことができる空間を今後も考えていけたらと思います」と豊嶋さんは語ってくださいました。


DATA

施設名:東京工科大学八王子キャンパス
工学部、コンピュータサイエンス学部、メディア学部、応用生物学部、デザイン学部、医療保健学部のほか、大学院、教養学環をもつ4年制大学
所在地:東京都八王子市片倉町1404-1
HPhttps://www.teu.ac.jp
導入年月:2021年12月
導入に要した期間:約4カ月
IKEA for Businessを選んだ理由:イケアの家具は導入例があり、信頼していた。洗練されたデザインと機能性、自由に組み合わせができ、統一感があるところが良い。IKEA for Businessは、専任スタッフによるアドバイスやトータルなサービスがすばらしい。
担当したイケアストアIKEA立川
使用したイケアのサービスビジネスインテリアデザインサービス配送サービス家具組み立てサービス
※使用されている商品は記事掲載時期のもので、販売終了になっている商品が含まれる場合がありますのでご了承ください。