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Life at Home 2050

平等は家での暮らしから

「平等・公平は家から始まる」と私たちは考えます。日本で暮らす一人ひとりが、健康で、自分らしく輝き、幸せを感じられる家をつくるために、新しいプロジェクトをイケア・ジャパンの取り組みとして2024年にスタートしました。

平等は人権です。私たちは、すべての人が公平に扱われ、平等な機会を得られる権利があると信じています。

では、平等・公平を実現した世界とは、どんな世界でしょうか? まずは一緒に想像してみましょう。

2050年、どんな家での暮らしをしていたいですか?   

日本社会の現状

ジェンダーギャップ指数

世界経済フォーラムによる2024年のジェンダーギャップ指数において、日本は世界146か国中118位。政治と経済の分野において世界から大きな後れを取っています。一方イケアが生まれた国スウェーデンは世界5位と、ジェンダー平等における先進国の1つです。

色濃く残る性別的役割

家庭内での役割における固定観念が変わらず存在し、男性は稼ぎ頭としてのプレッシャーから長時間労働に、それよにより家事・育児・介護の負担は女性へ。イケアの家での暮らしについての調査Life at Home Report2023からも家事の負担が大きく女性に偏っていることがわかっています。

さまざまな要素が複雑に

家での平等はとても複雑で大きな課題です。家での暮らしのあり方は、職場や社会と切り離して考えることはできません。一方で、私たちにとって最も大切な場所「家」を見つめ直し、課題を自分事として捉えることができれば、身近なところから変化を生み出せるのではないでしょうか。その小さな変化の積み重ねが、社会に大きなインパクトをもたらすことができると私たちは信じています。

2050年は遠いようで近い未来

将来を担う次世代が、健康で幸せな家での暮らしを実現し、一人ひとりが輝ける平等な社会を築くためには、今日の私たちに何ができるでしょうか?日本社会の現状を見ると、変化を起こすには時間がかかるかもしれません。私たちは今すぐに行動に起こす必要があります。

目指すところ

あらゆるステークホルダーとともに

イケアでは、これまでにも「家での平等」を目指しさまざまな活動を行っていますが、そこから「1社ではできないことがある」という学びを得ました。家での平等という複雑な課題に対して、産・官・学、お客さまやメディアといったステークホルダーと包括的に協働することで、大きな変化を生み出すことができると考えています。

長期的な視点で

このプロジェクトではイケアのイノベーションアプローチを取り入れ、ステークホルダーと共に「共有」「学び」「アクション」を5年かけて繰り返していくことで、よりインパクトのあるアクションを生み出すことを目標としています。また、すぐ先の未来を想像すると、変化をあきらめたくなったり、萎縮した考え方になったり。そこで私たちは、2050年へと視野を広げ、もっと自由に、大胆に、私たちが望む未来を私たち自身でつくっていくことを目指しています。

一人ひとりが自分の道を選べて、幸せを追求できるように​

本プロジェクトの立ち上げ以降、参画企業・団体とワークショップを重ねてプロジェクトの目的を定めました。​

暮らしの中にある「あたりまえ」が人々の可能性を制限している点に着目。家族内、企業間、または国・文化を超えたさまざまな対話を通して、これまでの価値観を学びほぐし、新しい視点を育むことができれば、チャンスや選択肢は広がり、大切な人を大切にしながらも自分らしい人生を歩んでいけるのではと考えました。

​このプロジェクトはそんなインクルーシブで平等・公平な世界を目指しています。​

未来の暮らし、共創宣言!

Life at Home 2050は、

ボーダレスな対話と学びほぐしを通して、暮らしの「あたりまえ」を解放します。

これまでの活動

第2回「やっぱり家の日」シンポジウムとIKEA Familyメンバーワークショップ(2025年8月1日)

記念日登録して15周年を迎えた8月1日「やっぱり家の日」に、第2回シンポジウムを開催し、「Life at Home 2050」の活動報告とイケア・ジャパン初の絵本「たびする家」を発表。有識者によるトークセッションでは「家からはじまる小さな気づきとボーダレスな対話が未来を変える」というテーマのもと、世界、日本社会、家庭の観点からの家での平等についてディスカッションが行われました。午後の部では、IKEA Familyメンバーを対象としたワークショップを開催。コワーカーによる絵本の読み聞かせのあと、参加者の皆さんには2050年の家での暮らしを描いていただき、それについて親子・友人で対話をしていただきました。​

イケア・ジャパン初のオリジナル絵本「たびする家」(2025年8月)  

Life at Home 2050の参画企業や団体と定めた共通目的を実現するための1つの対話ツールとして絵本を作成しました。

​絵本「たびする家」は、主人公が旅をしながら、家での暮らしを楽しむさまざまな家族に出会う物語です。多様な暮らしを学び、自分の中の「あたりまえ(固定観念)」を見つめ直し、大切な人と対話するきっかけを届けます。

電子版絵本「たびする家」電子版 (日本語版)​

電子版絵本「The Traveling Home」(英語版)

参画企業とのワークショップ(2024年6~10月) ​

Life at Home 2050に賛同いただいている企業の部門担当者や有識者が集い、ジェンダー平等についての見解や、取り組みへの相互理解、可能性と課題の共有、そして未来洞察*などを議論するワークショップを、今年6月から実施。どんな未来をつくりたいか、そのために私たちは何ができるのかといった共通の目的を見つける対話を続けています。

*未来のアイデアや視点、イメージを形成し、ある対象に関して今後起こりうる可能性や選択肢を理解するための手法  

「やっぱり家の日」シンポジウムとIKEA Familyメンバーイベント (2024年8月1日)  ​

イケア・ジャパンが2010年に制定した8月1日「やっぱり家の日」に、今年はシンポジウムを開催し、「Life at Home 2050」の始動を発表すると共に、イケア・ジャパンのこの取り組みに賛同する企業関係者や有識者、スウェーデン大使館などが集い、現状の課題や目指したい未来についてのディスカッションを行いました。午後の部では、IKEA Familyメンバーを対象としたイベントを開催。スウェーデン出身のタレント・映画コメンテーターのLiLiCoさんと、タレント・俳優の小田井涼平さん夫妻をゲストに、 家での暮らしについてお話いただきました。またイケア・ジャパンオリジナルのLife at Homeカードゲームを参加者全員で行い、家での暮らしをよりよくするアイデアを楽しく考える機会をお届けしました。

Life at Home カードゲームの開発(2024年8月)  ​

Life at Home 2050のワークショップを通じて、私たちの身近にあるジェンダー平等や睡眠不足などの大小さまざまな課題に対して、まずは私たちの考えや想いを内省し言語化すること、それを共有し対話を続けることが大切であると学びました。そこで、私たちの大切な場所「家」を改めて振り返り、家での暮らしをよりよくするためのアイデアを楽しく考え、語り合えるカードゲームを開発しました。

カードゲームを通じて、普段話すきっかけのないことで話が弾んだり、自分の家の「当たり前」はほかの家では違うことに気付いたりと、それぞれの暮らし方や考え方について新しい発見があります。お子さまと一緒にご家族で、これから家庭を築くパートナーと、また友人や同僚となど、自由にお楽しみいただけるゲームです。

平等についての調査の実施

日本の人々の平等についての意識を把握するため、2024年7月5日、6日の2日間で、2067名を対象にWebアンケート調査を実施しました。調査結果の一部をご紹介します。

Q. 家での暮らしに満足してますか?

およそ2人に1人が家での暮らしに満足していますが、満足している女性は男性と比べるとやや低く、不満を抱いている女性もやや多いようです。

Q. 家での暮らしに不満?家での平等に不満?

パートナーと同居している男女で比較すると家での暮らしにおける不満は、いずれの年代も女性が高い傾向があり、家での平等においても女性35歳以上は男性と比較してやや高いことがわかります。

Q. 家庭、職場、社会における平等性に、あなたは満足していますか?

家での平等に満足していると回答した人(「とても満足している」「やや満足している」の合計)は、58.6%と半数以上に達していました。しかし、職場、社会とマクロになるにしたがって、満足している人の割合が急激に減っています。また、満足していないと回答した人の割合もマクロになるにしたがって、増えています。

Q. 家での平等に満足している理由は?満足していない理由は?

家での平等に満足を感じる理由の1番は「お互いに思いやり・敬意をもって接しているから」で42.3%、一方で、家での平等に不満を感じる理由としても、4人に1人(25%)が「お互いへの思いやり・敬意が足りていないから」と回答しています。家での平等において、思いやりや敬意がカギとなっているようです。
また、満足していない理由に「わからない」と回答した方が44%もいました。平等のあり方に悩んだり、または理由は考えたことがないけれど、ぼんやりと不満に感じている方が多いようです。
一方で変化も見られます。男女ともに20~34歳では「性別に関係なく自分の声を聞いてもらえる」「性別による違いを認めながらバランスがとれているから」と回答した割合がほかの年代と比較して高いことから、若年層では性別の平等意識が高まっていると考えられます。
また、「家事などの作業量が平等だから」と回答した割合も20~34歳の男性は同年代の女性やほかの年代よりも高く、家での平等も意識されているようです。

Q. 「 ●が■だったら我が家はもっと平等になると思う」●と■に当てはまる言葉は?(自由回答形式)

回答をワードクラウドで集計すると、「家事」の「平等」「分担」がカギであることがわかります。また、収入といった経済的要素や、思いやり・尊重といった心持ちも重要であることがわかります。