イケアの秘密のイノベーションラボ

背景
2016年度のイケアのハイライト
秘密のイノベーション
ラボがベールを脱ぐ
ライター:JOANNA LE PLUART
リサーチ拠点兼展示スペース、「Space10」の外観写真。
イケアが「Space10」を開設した目的は、世界中にいる協力者にも社員と同じ自由を享受していただき、食品の安全性、都市化のペース、健康とウェルネス、その他のマクロトレンドを大胆なやり方で探求できるようにするためです。
1台のコンピューターの前にいる「Space10」の2人のコワーカー。1人は着席し、もう1人は立っている。上部がコルクでできたダイニングテーブル、スツール、ベンチや、竹製の大型ペンダントランプなど、天然素材の家具が置いてある大きな部屋。観葉植物も展示されている。
コペンハーゲンの食肉加工地区は、流行に敏感な人々やホットなスポットや新進気鋭のデザインオフィスが集まるエリアです。その中心部にある「Space10」は、Rebel Agencyが運営するリサーチ拠点兼展示スペースです。多くの人々がより意味のあるサステナブルな暮らしを送れるようにする、革新的で責任ある未来のビジネスモデルを探求してデザインすることを目指しています。「Space10」はInter IKEA Systems B.V.(インター・イケア・システムズB.V.)が非常に短期間に実現に漕ぎつけたもので、既に興味深いプロジェクトがいくつも生まれています。
「Space10」はアート、デザイン、テクノロジー各界の人々を招いてさまざまなリサーチプロジェクトを行っています。その結果、幅広い試作品、エキシビション、イベント、ワークショップが誕生しています。
3Dプリントで作成したミートボールの味見はいかが?これは「Tomorrow’s Meatball(明日のミートボール)」と題されたプロジェクトで、「Space10」が検証した数種の未来的な食料ソリューションの一例です。
このイノベーションラボの原点は、1,000平方メートルのロブスター用水槽です。この水槽をワールドクラスのイノベーションラボに変貌させたことが、「Space10」による数々の変革の第1号でした。変革はその後も着々と続いています。2015年にオープンして以来、新たなアイデアを驚くほどたくさん生み出し続けています。
イケアのための・・・そして世界のための、次なる進化
「イケアのコワーカーたちは、大きな問題に対して、自身の仕事の一環としてクリエイティブに取り組む自由を常に享受してきました。『Space10』もその精神に基づいて、世界中にいる協力者のネットワークも食品の安全性、都市化のペース、健康とウェルネス、その他のマクロトレンドを大胆なやり方で探求できるようにしています」とInter IKEA Systems B.Vのイケア・コンセプト・イノベーション・マネージャーを務めるGöran Nilssonは言います。
「私たちは多くの人々の暮らしをよりよくするために常に多くのことを行っており、『Space10』を活用して、このビジョンをさらに推し進めたいと思います。目的は、たくさんの人のためにより意味のあるサステナブルな暮らしを実現する、新たな方法を探求することです」と彼は続けました。
「Space10」がオープンしてからまだ1年経っていませんが、既に大勢が参加しており、新鮮で示唆に富むアイデアが多数生まれています。その例を少々ご紹介します・・・
3Dプリントで作成したミートボールにレタスの葉が添えてある。3Dプリントで作成したミートボールに虫がついている。3Dプリントで作成したミートボールに廃棄野菜が添えてある。
プリントしたてのミートボール?
ミートボールは、フラットパックと同様にイケアのアイコン的な存在です。けれども食肉の消費量が増えている一方で、食用動物の飼育が地球温暖化に大きなインパクトを与えています。
「Tomorrow’s Meatball」というプロジェクトは、ラボで育つ食肉、藻類の収穫、そしてーーたぶんこれが一番の驚きでしょうーー食品の3Dプリンティングなど、食料生産に革命を起こすいくつかのトレンドを探訪しました。藻類やビートの葉や昆虫に由来するタンパク質などの代替材料を使用し、カスタム仕様で栄養素をミックスして、消費者の美的センスや文化的・栄養的な嗜好に合わせて、オンデマンド方式で食品を「プリント」するのです。
都市農業と自家製野菜
近年、アパート内や屋上や地域の菜園など、自宅での食料栽培が人気のあるトレンドになりつつあります。そして今、新たなテクノロジーが「都市農業」をさらに進化させようとしています。人工照明とコンピューターを活用したオートメーションにより、植物が必要とする水・ミネラル・酸素を正確に供給できるようになっています。畑で栽培するのに比べて、植物の生長が4~5倍速くなるうえ、水の使用量を95%削減し、廃棄物が減り、二酸化炭素排出量もはるかに少なくなります。
現在「Space10」は、自社の地下室に設けたプロトタイプの水耕農場で、このテクノロジーをテストしています。このような屋内農場を利用して、レストランがサラダ用の野菜を自家栽培できるようにするのが狙いです。「Space10」のSimon Caspersenは、次のように述べています。「プロトタイプで使用した商品と材料の80%は、イケアの店舗から持って来たものです。つまり、いつか皆さんの自宅でも、とても手頃な価格でこのような農場を再現できる可能性があるのです」

リサイクルとアップサイクル
再生可能エネルギーは、サステナビリティを実現するうえで重要な役割を果たしますが、「再生可能商品」も同様です。消費者の創造性をうまく活用して、不要になった商品の寿命を延ばすというアイデアが、「Space10」の「The Makery」プロジェクトの核心です。
ここでは自分のイマジネーションと、レーザーカッターや3Dプリンターなどのハイテクなツールを使って、普通ならごみ捨て場に廃棄されるような商品や素材を改造したり、別の物に作り直したり、リサイクルやアップサイクルを行うことができます。将来はイケアの店内に、そうしたメーカー(つくり手)のためのスペースができるかも知れません。そうすれば自分のニーズやニーズの変化に合わせて、商品をカスタマイズしたり、共同製作をしたり、改造できるようになるでしょう。
ステップスツールとまな板でつくったスプリングボード(飛び板)と、空気で膨らませる透明なクッション12個。クッションはスイミングプールのように置いてある。座面が収納になっているチェア1脚。蓋が半分開いている。
動くオフィス
デザイナーとインタラクションアーティストが、身体意識を高めて、現代のデジタル世界における心身の課題に対処する方法に関するコラボレーションを行った時に、「In Motion Office(動くオフィス)」が生まれました。旋回するデスクを採用したワークステーションで、一日中自由に場所を移動できるので、日光浴を楽しんだり、画面の反射を避けたり、視点を変えてみたり、同僚と交流したりすることが可能になります。しかも作業の場所を変えるために体を動かすことで、知的生産性が高まるとともに、長時間同じ姿勢を続けることに由来する健康上の問題も減らせます。

エネルギーを回収する家具
小さな変化が、大きな違いをもたらします。たとえばモーニングコーヒーのポットやキッチンカウンターの上で冷えてゆくキャセロールなどから、排熱を回収できるとしたらどうでしょうか?これこそが、「Space10」の試作品の1つである「Heat Harvest(熱回収)」の背後にある、壮大なアイデアです。テーブルなどの表面に熱電パッドを組み込んで、普通はムダになってしまう排熱を捕らえて、電気に変換し、電話を充電したりラップトップを使い続けられるようにするというアイデアです。

空気を改善する窓
都市化のペースが速まり、都市が拡大して人口密度が高まりつつある中で、どうすれば自由に呼吸し続けられるでしょうか?これは、コペンハーゲン・インスティチュート・オブ・インタラクティブ・デザイン(Copenhagen Institute of Interactive Design)の学生が、都市部でより健康的に生活をするために役立つ日常的な物をつくる課題に対して研究したテーマです。その結果生まれたのが、二酸化炭素を利用して屋内・屋外双方の空気の質を測定する、Vayüというモジュール式の装置です。Vayüは屋内の空気が悪くなると自動的に窓を開けます。そして屋外の汚染度が高くなると、自動的に窓を閉めます。
ダイニングテーブルに、コーヒーが入ったガラス製の水差しが載っている。そしてスマートフォンが、テーブルトップに内蔵された充電器の隣に置いてある。線ディスプレイ用ウィンドウに取り付けたモジュール式装置。自動的にウィンドウを開閉して、空気の流れを制御している。
「Space10」の情報はこちらから:space10.ioTwitterInstagram
引用文
子供はみんな未来の3つ星シェフテキストボックス
子供はみんな
未来の3つ星シェフ
子供はみんな未来の3つ星シェフ
数字で見るイケアの2016年度テキストボックス
数字で見るイケアの2016年度
全世界のイケアストア
389
イケアストアの来店者数(単位:百万人)
915
数字で見るイケア®の2016年度
品質についての思いテキストボックス
品質についての思い
品質についての思い
田舎にある BILLY/ビリーの
生まれ故郷を訪問
彼が生まれてから40年近く経ちます。私たちの多くは、彼と一緒に暮らしたり、友人の家で彼を知ったりしています。田舎にあるBILLY/ビリーの生まれ故郷を訪ねて、彼に会ってみてください。そこではBILLY/ビリーという書棚が、毎年約450万個誕生しています。
BILLY/ビリーの製造にまつわる詳しいストーリーはこちらから
秘密のイノベーションラボがベールを脱ぐテキストボックス
秘密のイノベーション
ラボが明らかに
秘密のイノベーションラボがベールを脱ぐ
デスクを保護することは
・・・地球を保護すること
リサイクル活動を一歩進めて、廃棄物から新しい商品をつくるのはどうだろう?この「クレージーなアイデア」は、数年前にイケアの誰かが思いついたものです。けれども今ではこれが現実になり、お客さまのお金を節約するとともに、母なる地球の限りある資源の節約にもつながっています。
「クレージーなアイデア」の詳細はこちらから
家を「わが家」にするものは?テキストボックス
家を「わが家」にするものは?
家を「わが家」にするものは?
そして受賞者は・・・テキストボックス
そして受賞者は・・・
そして受賞者は・・・
3Dプリントの世界に足を踏み入れてみようテキストボックス
3Dプリントの世界に
足を踏み入れてみよう
3Dプリントの世界に足を踏み入れてみよう
ミートボールだけがイケアじゃないテキストボックス
ミートボールだけがイケアじゃない
家具販売業者がなぜ食品を販売しようと決意したのでしょうか
ミートボールだけがイケアじゃない
世界一発行部数が多い
印刷物の世界を覗いてみよう
今年の『IKEAカタログ』は33の言語に翻訳され、48の国で配布されて、約2億5500万の人に届いています。こうして一人ひとりが自分らしい生き方ができるように、手助けをしているのです。そのメッセージは明快です。イケアは消費者のために家具をデザインしているのではなく、人々のためにデザインをしているのです。では実際のところは?人々は人間であり、人間は完璧ではない、ということです。
舞台裏をちょっと見てみよう
織物で女性に明るい未来をテキストボックス
織物で女性に
明るい未来を
織物で女性に明るい未来を
型にはまらず箱にはめるテキストボックス
型にはまらず
箱にはめる
型にはまらず箱にはめる
紙で家具をつくる。本当なの?
紙製の卵パックの素材でできたソファやチェア?そして竹でできたベンチトップやテーブルの脚?イケアのデザインチームは素材の世界を探求しているので、何でもできるんです。 
新素材の詳細はこちらから
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イケアのハイライト
たくさんの企業、組織、人々が一体となって、イケアを形づくっています。一人ひとりの人や一つひとつのアイデアやソリューションが、その全体像に貢献しています。「イケアのハイライト」では、このイケアの世界のさまざまな場所からストーリーを収集して、今年度に達成した成果や思いがけないできごとをご紹介します。私たちも人間ですものね。
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イケアがランウェイにデビューテキストボックス
イケアがランウェイにデビュー
イケアがランウェイにデビュー
グッドデザインを叶えるフォース
遠い昔、はるか彼方の銀河系で、David Wahlは困難だが重要な使命を与えられた。イケアの若手デザイナーだったDavidに課せられた使命とは、この惑星中の家庭に存在する暗闇を打ち破り、多くの人々に光と希望をもたらせる比類ないものをつくることだった・・・こうして誕生したのがIKEA PS 2014 ペンダントランプという、惑星のようなフォルムの照明器具です。紐を引くと、まるで「爆発」するかのように、温かみのある輝かしい光を発散して、まわりの空間を明るく照らします。
IKEA PS 2014 ペンダントランプの詳細はこちらから
イケアの故郷へ、お帰りなさいテキストボックス
イケアの故郷へ、お帰りなさい
イケアの故郷へ、お帰りなさい
もうひとつのインドへようこそもうひとつのインドへようこそ
もうひとつのインドへ
ようこそ
もうひとつのインドへようこそ
バーチャルリアリティー魔法の世界へテキストボックス
バーチャルリアリティ
ー魔法の世界へ
バーチャルリアリティー魔法の世界へ
ステキなフィルムとすばらしい広告テキストボックス
ステキなフィルムと
すばらしい広告
ステキなフィルムとすばらしい広告
家をなくした難民にとってわが家とはテキストボックス
家をなくした難民にとって
わが家とは
家をなくした難民にとってわが家とは
やるべきことは
まだまだある
イケアが生まれたのはどんな所だろう、と思ったことはありませんか?あるいは、なぜスモーランド出身の純朴な田舎の少年が、世界有数のブランドを創設して、何百万もの人々によりよい暮らしを過ごしてもらう手助けをしようと考えたのだろうか、と思ったことはありませんか?
その答えが書かれた詳しいストーリーはこちらから
遊びでよりよい暮らしをテキストボックス
遊びで
よりよい暮らしを
遊びでよりよい暮らしを
クリエイティブなコラボレーションの世界テキストボックス
クリエイティブな
コラボレーションの世界
クリエイティブなコラボレーションの世界
おひさま&モンスター:さあ、遊ぼう!テキストボックス
おひさま&モンスター:
さあ、遊ぼう!
おひさま&モンスター:さあ、遊ぼう!
「 スウェーデンらしさ」に国境はありませんテキストボックス
「 スウェーデンらしさ」に
国境はありません
「 スウェーデンらしさ」に国境はありません
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パワーの源は
人々
パワーの源は人々