スウェーデン流クリスマスの過ごし方

わたしたちスウェーデン人は、スウェーデンのクリスマスの習慣が世界でもっともユニークだと思っています。でも、それはもしかすると本当かも。クリスマスにニシンの酢漬けを食べたり、スナップス(ハーブ入りウォッカ)を飲んだり、トムテ(北欧に伝わる白ひげの妖精)の格好をしたり、なんてちょっと変わっているでしょう? さあ、これからスウェーデンのクリスマスの習慣についてご紹介します。今年のクリスマスはぜひ、スウェーデン流に過ごしてみてはいかが。

クリスマスの食卓

その昔、スウェーデンは貧しい国でした。庶民の夕食は質素なもので、多くの人が空腹のまま眠りについたと言われています。しかし、そんな時代でもクリスマスだけは特別で、このときばかりは、みんな思う存分食事を楽しみました。今日、スウェーデンの暮らしは一変しましたが、クリスマスになると食べることに夢中になるのは今も昔も変わりません。
1. ジンジャークッキーをいっぱい食べよう
ジンジャークッキーのないクリスマスなんて、スウェーデン人には考えられません。ジンジャークッキーがスウェーデンで広く愛されているのは、これを食べると優しくなれると考えられているからだとか。ヤギ型や星型、ハート型など、思わずつまんでしまいたくなるような楽しいデザインが特徴です。
2. ルッセカットづくりにトライしてみよう
ルッセカットはサフラン入りのロールパンで、サフラン独特の風味と黄色い生地が特徴です。スウェーデンではクリスマスツリーと同じくらい大切なクリスマスを象徴する食べ物とされています。
3. クリスマスポリッジでお腹いっぱいに
クリスマスの時期になると、スウェーデンの家庭では食事が生活の中心になります。クリスマスの食卓に欠かせない食べ物といえば、クリスマスポリッジ。ポリッジとは、お米を牛乳で煮込んだ甘いミルクがゆのことで、上にシナモンと冷たい牛乳をかけていただきます。さらにお好みでアーモンドを一粒入れてもGood。このアーモンドが当たった人は願いごとがひとつ叶うといわれています。
4. 優しい気持ちにしてくれるお菓子
一年中甘いものに目がないスウェーデン人ですが、クリスマスの時期になると甘いもの好きにより一層磨きがかかります。食卓には毎日さまざまな手づくりのお菓子が登場。なかでも定番は、"knäck"(クネック・砂糖とシロップ、生クリームでできたキャラメル)と"ischoklad"(イースショクラード・口溶けのよいソフトチョコレート)の2つです。
5. 残り物でつくるデザート
Rice à la Malta(スウェーデン語で"ris à la Malta")は、残り物のクリスマスポリッジでつくる、スウェーデンの伝統的なデザート。つくり方は、残ったポリッジにパウダーシュガーとバニラシュガーを加えて甘みをプラスしたあと、生クリームを入れてかき混ぜるだけ。ほっぺがとろけるほどおいしいデザートに変身します。
6. クリスマスビュッフェ
スウェーデンのクリスマスビュッフェにはおいしい料理が勢ぞろい。おもなメニューは、クリスマスハムにニシン、うなぎの薫製、卵料理、ミートボール、ソーセージ、キャベツ料理、サーモン、"ヤンソン氏の誘惑"(アンチョビ風味のポテトグラタン)などなど。そして食後のデザートに欠かせないのが、たっぷりのクリスマスポリッジ。スウェーデンのクリスマスの食卓では、お腹を空かせたままテーブルを立つなんて"不可能"と言えるでしょう。

クリスマスの飲み物

つぎはスウェーデンのクリスマス料理におすすめの飲み物をご紹介します。クリスマス料理同様、スウェーデン特有のオリジナリティーあふれる飲み物が勢ぞろい。さあ、一緒に見ていきましょう!
1. グロッグで体の中から温まろう
Glögg(グロッグ)はスウェーデンの伝統的なクリスマスの飲み物で、イギリスのマルドワインやドイツのグリューワインと非常によく似ています。赤ワインに甘いスパイスを加えたもので、スウェーデンではジンジャークッキーやルッセカットと一緒にホットで飲みます。グロッグにはアルコール入りとノンアルコールの2種類あり、レーズンやクラッシュアーモンドを加えるとより一層おいしくいただけます。
2. 中世から伝わるダークビール
Svagdricka(スヴォーグドリッカ)はほのかな甘みのある、黒ビールに似た飲み物で、起源は15世紀にさかのぼります。以前はヨーロッパ全土で飲まれていましたが、現在ではクリスマスの時期にしか店頭に並ばなくなりました。勇気のある方は、一部のスウェーデン人のようにミルクを少し加えて試してみてはいかが。
3. スウェーデン人のマストドリンク
スウェーデンでクリスマスにもっともよく飲まれる飲み物といえば、Julmust(ユールムスト)。これはノンアルコールのソフトドリンクで、炭酸水に砂糖、ホップ、麦芽、スパイスを加えたものです。スウェーデンのクリスマス料理とも相性抜群で、復活祭の時期にはポースクムストという名前で出回ります。
4. クリスマスビールで乾杯!
ほかの国々と同様、スウェーデンの国民的飲み物といえばビールですが、クリスマスの時期になると肉料理などの重い食事に合う黒ビールが好まれるようになります。スウェーデンのクリスマスビールは、ポーターとスタウト、エールの3つをブレンドしたような味わいで、ダークな色合いとほのかな甘み、まろやかな旨味が特徴です。
5. クリスマスといえば、やっぱりスナップス
スウェーデンのクリスマスに欠かせないお酒といえばスナップスですが、くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。翌朝頭痛で目覚めることになるかもしれません。スナップスとは、ストレートウォッカにスパイスやハーブを加えたもの。なかにはぬるめを好む玄人もいますが、強い刺激をやわらげるため氷のように冷やして飲むのがおすすめです。

スウェーデン流クリスマスデコレーションはいかが?

クリスマスデコレーションなしにクリスマスは始まりません。とはいえ、スウェーデン人は一様に控え目を好むので、家中を派手に飾り立てるようなことはしません。ここではクリスマスらしいアットホームな雰囲気を演出するためのクリスマスデコレーションのアイデアをいくつかご紹介します。
1. クリスマスツリーのデコレーション
クリスマスツリーは飾り付けしなくても十分きれいですが、やっぱりいろいろデコレーションしてみたくなるもの。デコレーションのコツは、ブルーやレッド、シルバー、ホワイト、レッド、ブラックの中から2,3色だけをチョイスすること。あとはいろいろなデザインや素材を自由にミックスしてみましょう。なにより自分の好きなスタイルがベストです!
2. 家中をキャンドルでいっぱいに
クリスマス前後の暗い冬の時期、スウェーデンの家庭では明かりでぬくもりを演出します。そこで、よりあたたかな雰囲気を演出したいときにおすすめなのがキャンドル。お部屋のあちこちに置いて使うのが効果的ですが、くれぐれも使いすぎには注意しましょう。そして、キャンドルのそばを離れるときは必ず火を消してください。
3. 室内照明でお部屋をライトアップ
12月になるとスウェーデンではさまざまなクリスマス照明で室内をライトアップします。これには暗い冬の時期、明かりで気分を少しでも明るくしたいという想いも。スウェーデンで一般的に使用される室内照明は、クリスマススターやキャンドル、クリスマスツリーライトなどです。
4. 屋外照明も忘れずに
室内照明のあとは、家の外観を美しく見せる屋外照明にもこだわりたいもの。スウェーデン人が大の屋外照明好きな理由はここにあります。スウェーデンにはこの屋外照明の習慣のほかにも、出窓にキャンドルランプを飾る習慣があります。雪の降り積もった日は、より一層キャンドルの明かりが美しく引き立ちます。
5. クリスマスリースをドアにかけよう
今年のクリスマスはぜひ、リースを手づくりしてみてはいかが? つくる時間がない、つくり方が分からない、という方はもちろん市販のリースでもOK。リースひとつで手軽にあたたかなクリスマスの雰囲気を演出できます。

スウェーデンのクリスマス行事

さあ、これまでスウェーデンのクリスマス料理や飲み物、クリスマスデコレーションについて見てきました。ここからはスウェーデンのクリスマス行事についてご紹介します。
1. クリスマスまでのカウントダウン
スウェーデン人にとってクリスマスはとても待ち遠しいもの。そんな待ち遠しさを紛らわすためにあるのが、クリスマスまでをカウントダウンする4回のアドベントサンデー。毎週、日曜日になると、4本立てのアドベントキャンドルにひとつずつ火をともしていきます。4本目のキャンドルに火をともす頃になると、サンタがもうすぐやってきます。
2. 12月13日はとても特別な日
12月13日の朝には、聖ルシアに扮した少女がスウェーデンの家々を訪ねます。白いローブに身を包み、頭にキャンドルの冠を載せたルシアは"stjärngossar"(星の男の子)や"pepparkaksgubbar"(ジンジャークッキマン)、"tärnor"(お供の少女)たちとともにクリスマスの賛美歌を歌いながら、暗く寒いスウェーデンに光とぬくもりをもたらします。
3. 一年でもっとも暗い日
クリスマスイブの数日前になると、一年でもっとも日の短い冬至を迎えます。この時期、スウェーデンの北部では太陽がほとんど顔を出さない日が続きます。とはいえ、この冬至にはいいことも。この日を境に、日が少しずつ長くなるからです。
4. 詩人になろう
突然ですが、詩はお好きですか? スウェーデンにはクリスマスプレゼントに詩を添える習慣があり、この短いメッセージの中にプレゼントのヒントを織り込みます。スウェーデン人はみんなで一緒に詩をつくるのが好きで、これを"rimstuga"(リムストゥーガ)と呼んでいます。
5. "新聞を買いに行ってくるね"
スウェーデンにサンタクロースがやって来るのは12月24日。でも、多忙なサンタに代わってだれかが手助けしなくちゃいけないときも……(これは内緒ですが、実際にサンタの格好をしてサンタを演じるんです)。とはいえ、サンタに変装しに出かけるにはなにか口実が必要。だからパパやママは、子供たちに「新聞を買いに行ってくるね」と言って家を抜け出すんです。
6. サンタがやってきた!
ついにサンタ(もしくはサンタに扮しただれか)がドアをノックしてやって来ます。彼の仕事は子供たちみんなにプレゼントを配ること。子供たちがサンタに優しく抱きしめてもらう姿を大人は温かく見守ります。この日は一年でもっとも楽しいひとときと言えるでしょう。
7. 一年でもっとものんびりした日
ほかの多くの国々とは違い、スウェーデンでは12月25日はほとんどなにもしないで過ごします。ソファの上で、あるいはテレビの前でうとうとしながら過ごすこの日は、おそらくスウェーデンでもっとものんびりした一日と言えるでしょう。友人を家に招くこともありますが、この日のキーワードは、なんといっても「のんびり過ごすこと」。
8. Happy New Year
スウェーデンの大晦日といえば、パーティー。凍えるように寒い冬のまっただ中にも関わらず、屋外ではさまざまなイベントが行われます。年明けは外で新年の花火を楽しみながらシャンパンで乾杯。キスを交わしながら、新年の抱負を誓います。とはいえ、この抱負はたいてい2,3週間もすれば忘れられてしまうのですが…。
9. クリスマスよ、さようなら
スウェーデンでは、クリスマスの最終日とされる1月13日の聖クヌートの日にクリスマスツリーをかたづけます。この日は子供も大人も一緒になってツリーの周りでダンスしたあと、ツリーを家の外へ放り投げます。そのあとはツリーに吊してあったクッキーやキャンディを食べたりして過ごします。

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